スーパーママチャリグランプリ2007最終戦in富士スピードウェイ [Race2008]
2007年夏、とある理学療法士さんの言葉から始まった。
「みんなでスーパーママチャリグランプリ参戦しない?」
普段からチャリで遊んでいる私としては、かなり余裕なお話。ただ、命を預けるマシンがママチャリ(もちろんカゴ・スタンドつき)ということだけが違う。実体のないチーム「Team12So」。私はたまにこの名前でレースに参戦しているが、メンバーは「車輪二つの乗り物が好き」というだけの集団だったりする。自転車レースのチームではない。
夏から秋、秋から冬。自転車にハマって通勤や遊びで鍛える人、屋内限定トレーニングに励む人、階段を登る時に爪先立ちする人、レース直前にたまたま呼ばれた人、相方が出るからついてきた人、様々な人(自転車と縁のない人も含む)が集結し、総勢15名。スポーツ自転車乗り3名、「昔は"足"としてよく乗ってた」という人3名、バイク(オートバイ)好き数名、今は運動と縁がない人大多数。
雨の富士スピードウェイで、ホーム●スの家と見紛うようなブルーシートのテントを張り、キャンプ用品とは赴きの異なるアナログでデカい機材を投入して暖を取る。
レースが始まる。
第一走者は私。アマチュアサイクリストの階層で見るに、良くて中の下、悪くて下の上というレベルの私。なんとかフロントローに陣取り、寒さに震えつつスタートを待つ。周りのレベルはよくわからない、なぜならマシンがママチャリだから。
ハンドルがヘンなことになっているママチャリ・森スペシャル
スタート一分前。全員が各人のマシンに取り付けられたベルで咆哮を挙げる。異常なまでの盛り上がり。消防署チームのママチャリに装備された手回しサイレンが鳴り響き、ボルテージは最高潮に。普通のロードレースでは考えられないテンションの高さ・・・。ありえん。
最初はペースカーがついて先導する。私は危険そうな人と割けつつ、第一コーナーへ10番手ほどで突入。
ペースカーが遅い!
しかし、普段買い物くらいでしかチャリに乗らない人にとって、あの1コーナーとその後の下りはスピードが出すぎて恐ろしいらしい。フラフラして今にもコケそうな人が目の前走る。ヤバイ、ハスる・・!全く効かないブレーキで減速し、間隔を開ける。左右に動くと素人集団では危ない・・。前走者はまだ危険な状態だ、あんなフラついてよくコケないな・・。フルフェイルヘルメットをかぶった前走者がキョロキョロしはじめ、弾みでシールドが外れて飛んでくる!間一髪で避ける。コカ・コーラコーナーでようやく危険地帯を抜け出す。
一周目前半からレースが終わるかと思った・・。
100Rで下りのスピードをキープし、人のいないコース端を猛ダッシュ。
20番手くらい・・
さらに100R後半の緩い登りでダッシュ、先頭に追いつく。
そこに”集団”はなかった。
これは素人のママチャリレースだ・・
ヘアピンコーナーを抜けると、周りがついてこない。
『このまま行く?』という考えが頭をよぎり、さらに下りで飛ばす。ペースカーが邪魔!追いつくと全く効かないブレーキでは突っ込みそうなので、スピードアップせずになんとなくでダンロップコーナーのシケインに突入。ペースカーはいなくなる。
登り始めるとママチャリの重さが身に染みてくる。ホームストレート一位通過を狙い、登りは温存することに・・・。4,5人と一緒にダラダラ登る。周りを見る、、これは余裕で頂きだな・・フフフ。
がしかし、そううまくは行かなかった・・
ここでなんと、インから猛スピードで登っていく人が・・・!
そして、その後姿には見覚えがある。おきなわ市民130kmの覇者(しかも独走で勝利)のよっしーさんではないか!そういえば、エントリーリストに「チームCB」という名前を見たような。バイク好き(CBというバイクがある)のチームか何かだったらいいな・・と思っていたが、そうではなかった。
気がついたら時にはもう5,6m離れていた。追いかけるも、そもそもの脚力が違うので離される。ネッツコーナー、パナソニックコーナーを抜けると、その差は30M以上。絶望的・・。ホームストレートをもがいてみるも、スピードは35km/h・・。うしろは誰もないので、ひたすら前だけを見て追いかける。追いつかない・・。
2位でホームストレートを抜ける。
2周目、よっしーさんを追いかける。視界が悪いので、見えなくなりそうで怖い。やはり登りでどんどん差が開く。ん~少しはトレーニングしないとダメだな、MTBで遊んでるだけじゃロードは速くならん(ママチャリだけど)。2周目終了、3周目の1コーナーを抜けた頃に、よっしーさんは霧の中に消えていった。
3周目はかなり切れてしまい、タイムを落としつつ2位でピットイン。助っ人タチコギ。選手と交替。注意事項を伝えながら、「なんかGT選手権とか8耐とか、そんなレースみたいやな・・」とか思う。
アレ!タチコギ!
チームのみんなが盛り上がっている。まさか2位で帰ってくるとは思わなかったらしい、後続はかなり離れている。タチコギ。選手はいいペース(もちちろん私より速かった)で3周回し、鍛鉄作家シンゴさん(チャリにハマって半年)と交替。シンゴさんが帰ってきた頃には、なんと1位になっていた。
俄然盛り上がるピット。『え?ゆっくり走ったら怒られる?』という表情の、普段運動しないメンバーたち。
主催者のインタビュアーが来て、走り終えたばかりのシンゴさんにインタビュー。盛り上がるチーム、第1走者としてインタビューに答える私。「チームCBと勝負したいです」なんて言ってみた。まぁ、勝てないことは分かっているが・・・。
走った直後にインタビューされるシンゴさん
他のメンバーが走っている間は暖をとったり豚汁をすすったりして過ごす。せっかくなので、チームCBのピットを偵察に・・。よっしーさんは不在だったものの、ぱっと見、そんなに人数はいないように思える(=走れる人の割合が高いと思われる)。この偵察の瞬間、勝ちを諦める。わがチームのメンバー構成では勝つことは不可能。
しかし、盛り上がるチーム。3時間を経過しても(7時間耐久)、順位は1位をキープ。監督とチーム代表が大人の色気を出し、全員が走り終える前に私とタチコギ選手が2回目の出走。が、走る前に順位は3位に。一時的に上がったり下がったりし、レース終了1時間半前?には8位に下がる。
盛り上がる?レース
しかし、自転車乗りが集まるレースよりもマナー悪い。無法地帯?
メンバー全員が1度は走り。かなりみんな楽しめている様子、雨なのに。過去に自転車に乗っていたりスポーツをやっていた人は、レースへの熱が再燃していた感じ。もし次の参戦があったら、素人集団ではなくなる可能性も高い?
1時間半前、3回目の出走。ラストなのでマトモなタイムを出さねば・・。というわけで、8分後半と9分前半を並べることができた。冷えた体では上出来か?。タチコギ選手もチーム最速ラップを出し、3回目の出走を終える。この時点で5位か6位。
さらにちょっと火がついたほかのメンバーが走り、言い出しっぺさんの汚名返上周回で残り1分弱のギリギリ状態で最終走者タチコギ選手の最後の一燃えを期待。最後に最速ラップを叩き出し、無事レース終了。
最終順位は7位。
当初は「順当で1/3くらい、よくて100位以内」くらいに思っていたが、予想外の順位に盛り上がってしまった。自転車乗り3人が必死で走る姿を見、他のメンバーも気合を入れて走ってくれたオカゲでの順位。
7時間は長丁場かと思いきや、やはりレースは過ぎてみれば風の如く速い(早い)。お祭りイベントでもレースは楽しい。というわけか。ママチャリレース、自転車に縁のない人を巻き込むのには良さそうなイベントです。
さて、優勝はやはりチームCBがダントツでかっさらっていきました。ん~見事です。次にレースで遭遇したら、もっといい勝負がしたいものです(もちろんママチャリレースくらいでしか勝負になりませんが)。
ちっちゃいトロフィー(重さはそこそこある)
ちなみに、トロフィーは参加チーム全部に与えられます(中身がどう違うかは知りませんが)
いや~、盛り上がったな~。
7位おめでとう~!!
いや~、メッチャ楽しそうでいいですわ、ホント♪
”自転車を楽しむ”ということの神髄を見せていただいた感じです。
by アンカァ (2008-01-13 20:47)
おめでとうございます。
7時間で7位。
春から縁起がいいですな。
by 馬面 (2008-01-13 21:51)
お疲れさんでした。
実はリーダの提案があり、Team ARIで出ようかという話がありました。
もちろん、TTスーツにTTヘルメットをかぶり、ガチンコ真剣勝負で自転車も変則付き自転車を購入してとかで・・・でも、うやむやに。
この時期でしたら、最強メンバーをそろえることも可能でしたので、レポートを読んで来年はA,B,Cチームを作ってチーム戦を展開して列車を組んで出たいと一人で妄想しております。(いや現実になるかも?)ニヤリ。
7位はお見事です。
by Bee (2008-01-14 13:37)
ママチャリのハンドルだときつそう、と思ったけど、
ハンドルはちゃんと進化しているんですね。
スタート前の盛り上がりは楽しそう。
7位、おめでとうございます!
by テラ (2008-01-14 21:34)
>アンカァさん
たまにはこんなイベントもいいもんですね。といっても、走り出したら本気になるのが自転車乗りってもんですけど・・・。これを機に火がついた人もいるので、また先が楽しみです。
>馬面さん
私にとってのラッキーナンバーとはずいぶん違いますが、なにかいいことあるかもしれないです。馬面さんが何かおごってくれるとか。
>ココくんさん
ありさんから話はきいてましたが、参加していたら大変なことに・・・。
ママチャリグランプリのサイトを見てもらえば分かるんですが、「ママチャリであること」は大事です。なので、「空気を読まないマシンはダメ」というのが基本です。なので、普通のママチャリで参戦しないといけません。とはいっても、TeamARIのメンバーで固めれば、シングルスピードママチャリでも間違いなく勝てますよ。
>テラさん
DHバーを装備したりした、かなり場違いなママチャリもいましたけどね・・。
ハンドルは鉄パイプで出来ているので、かなり重かったです。スタート前の盛り上がりは、まさにお祭りイベントでしたよ。MTBレースとかもあれくらい盛り上がればいいのに・・。
by arukakat (2008-01-14 23:02)
arukakatさん、お疲れ様でした。コメント、ありがとうございました。
ロードレースとは違った雰囲気を楽しめましたね!
今回、勝ちにいったわけではなかったのですが、初レース(というか、学校卒業以来、初運動では?)なメンバーが、必死に(?)頑張って、優勝ということになりました。
今後、彼が、ロードレーサーを購入するのを期待していたりします(笑)
by よっしー (2008-01-14 23:47)
お疲れ様でした~。
ママチャリイベント、侮ってましたね。予想以上に楽しかったです。
誘っていただいてありがとうございました。
メンバーのみなさんが自転車に開花する事を祈ってます(笑)
by タチコギ。 (2008-01-15 08:21)
あ、これ丁度ニュースで見てましたよ!
いそうだな~w
と思ってたらまさか本当にいらっしゃったとは!
うらやましい限りです。
by ☆yoshi-3298☆ (2008-01-15 20:51)
>よっしーさん
コメントありがとうございます。
やはり後方スタートだったんですね。前方は目立ちたがり屋なライダーが多く、かなり危険地帯でしたよ~。フラフラした人を抜いた少し後、後方でクラッシュ音が聞こえたりしてました・・。私のチームも同じような状況でした、自転車人口が増えるかもしれませんね。
>タチコギ君
雨だったから盛り上がらないかと思いきや、あのサイトのノリで集まった参加者らしく、ちゃんと盛り上がったな~。開花・・・、してくれることを願うが、特に後押しをするつもりはない(やはり自主性が命)ので、どうなることか。
>yoshiさん
あ、yoshiさんがいたらメンバーとバイク話で盛り上がったかもしれませんねぇ~。私の方は、いまだにバイク入手には至らず、旅に同行することも叶いません・・・申し訳ないです。
by arukakat (2008-01-15 22:02)
いや~ぁ、ほんとに楽しそうなレースでしたね。
ママチャリなら私でも参加できそうかなぁなんて
思ってしまいました。
でも年に1,2度しか乗らないけど・・・(^^;)
by もきち (2008-01-16 08:53)
>もきちさん
面白かったですよ~。
もきちさんなら、普段乗ってなくてもかなりのタイムが期待できそうですね。
実家からいける範囲でレースがあれば・・・
大分とかですかね、オートポリスとか・・。
by arukakat (2008-01-16 22:05)
富士スピードウェイでママチャリのレース!?
スゴイ事が行われているんですね~。
めちゃめちゃ楽しそう!
by まさ (2008-01-17 21:43)
>まささん
楽しかったですよ~。
エレクトラチームを作って、宣伝してみてはどうですか?
by arukakat (2008-01-20 23:12)